Black Messiah / D'Angelo And The Vanguard

数年前、当時東京ビジュアルアーツの講師だったK先生に、「プリンスの新曲、すげーいいっすよ」(新曲ってのは、アルバム発売前にプリンス自身のサイトで配信されてた「Breakfast Can Wait」のこと)って話をした時に、「プリンス、いつの間にこんなR&Bやるようになったんや。俺はR&Bディアンジェロしか認めてへんねん」みたいなことをK先生が言っていて、僕もディアンジェロのことはすごく好きで、アルバム『Brown Sugar』『Voodoo』を何度も聴いていたんで、笑いつつ「確かに分かる気もする」と思ってたんですが、2014年末にそのディアンジェロが14年ぶりに新しいアルバムを出すというのを知り、「お!まじか!早く聴きたい!いつ出るのよ!」と思っているうちに気づいたらiTunes Storeで配信が開始されてて、気分としてはもう「!!!!!!!」みたいな感じになりまして、すぐさまDL購入致しました。

とはいえ、なんたって14年ぶりですから、一抹の不安もあるわけですよ。大丈夫なのか?と。ちゃんと素晴らしいディアンジェロのままでいてくれてるのか?と。 ……杞憂ですよ、杞憂。くだらん杞憂。もうね、素晴らしいです、このアルバム。またまた繰り返し聴きたくなるアルバムを届けてくれましたよ、彼は。

ディアンジェロの美しい声が健在なのはもちろん、リズムが面白くてかっちょいい感じになってるし(詳しくはよくわかりませんけど、なんか面白くてかっちょいい感じなんです)、それを支えるバンドの音もなんごついし、もうね、ちゃんと”今”の音が鳴ってる。というかね、”最新形”とでも言いたくなるような音がバシーっと鳴ってます。 ただそれ以上に感じたのは、”プリンス”感。ディアンジェロのプリンス好きはウィキペディアに載ってるほど知られてることなわけですが、ファルセットボイスの感じとか歌いまわしとかがプリンスに似てきた感じがするんですよね。むしろ、プリンスがディアンジェロに寄って来てるのかもしれないけど。

ある種「孤高の存在」であるその両者が、同じ年に久々にオリジナルアルバムを出して、しかもその両作とも素晴らしい仕上がりになっている、というのを見ると、アメリカの音楽の力強さとか層の厚さとか、そこら辺のことを考えてしまったりするわけですけども、まぁそんな小難しいことは考えずに(ディアンジェロのアルバムにはタイトルからも分かる通り明確なメッセージがあるし、それが2014年の末にリリースされる、というリリースタイミングにも意味があるとは思いますが、そこら辺はすみません、まずは置いときます。いやもちろん、大事なことなのは重々わかってますよ)、まずはこの素晴らしいアルバムを、「王の帰還」を楽しみましょうよ。めちゃくちゃ良いから、ホント。

http://www.amazon.co.jp/dp/B00QR7ZN16

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=CK2AzfkFlkQ&w=853&h=480]